日本の年中行事・祭礼

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年中行事とは、毎年特定の時期に行われる、行事の総称です。
日本には四季があり、季節の移ろいや農作業に関わる伝統行事や祭礼の年中行事が多くなっています。
ここでは、日本の年中行事の種類や、主な行事・祭礼の紹介をします。

年中行事・祭礼の種類

日本の年中行事や祭礼は、各地域で伝統的に行われているものが多く、日本書記・古事記等に記された神々やいにしえの天皇を祀り、五穀豊穣を祝う農耕に関する祭礼、無病息災を願う祭礼、天下泰平を願う祭礼などがあります。
また、江戸時代以降は商売繁盛を願う行事が慣行されるようになり、近年では戦後復興・災害復興への願いが込められた行事が行われたり、観光事業・産業として行事がイベント化されたりすることもあります。

春:豊作の前祝いを行う
夏:疫病や厄災を遠ざける
秋:収穫感謝祭
冬:順風満帆な翌年を願う

日本の主要な年中行事・祭礼

1月~3月

1月の行事
お正月|初詣|年賀状|お年玉|初夢|出初式|七草粥|成人式|大寒 など

2月の行事
節分|恵方巻|豆まき|建国記念日|バレンタインデー|天皇誕生日(令和)|旧正月 など

3月の行事
ひな祭り|桃の節句|ホワイトデー|春分の日|春休み|卒業式|花見 など

兵庫・西宮神社 開門神事かいもんしんじ・福男(毎年1月10日)
西宮神社は、全国に約3,500あるえびす神社の総本社です。
福男は、西宮神社の十日えびすの神事で、毎年1月10日午前6時に執行され、一番早くに拝殿にたどり着いた人を「一番福」、3着までの人を「福男」として認定され、1年の福を授かるといわれています。
(えびす宮総本社 西宮神社 https://nishinomiya-ebisu.com/index.html)

涅槃会(2月15日など)
お釈迦さまが入滅された2月15日に勤める追悼報恩のための法要。
この法要では、入滅された時の様相を描いた涅槃図を掲げ、ありし日のお釈迦さまを偲び 法要を営む寺院が多くあります。
涅槃図には、中心に横たわるお釈迦さまが、周囲には弟子たちをはじめ、菩薩、天界の神々、さらには動物や昆虫までもが集まってお釈迦さまの死を悼んでいる様子が、詳細に描かれています。
(浄土宗公式サイト https://jodo.or.jp/)

東京 深大寺だるま市(毎年3月3日・4日)
例年、深大寺山門の紅梅白梅が見ごろを迎える3月3日、4日の両日にわたり行われ、10万人余の人々が訪れる。
江戸時代の文献には、参詣者が「近郊近在より群参す」と記されているほど、歴史と伝統のある行事。
買い求められたダルマに、僧侶により直々に目入れがされます。ダルマの目に梵字(インドの古い文字)を入れるという深大寺独特のもので、古来「阿吽の呼吸」という言葉より、新しく求めたダルマの左目には物事の始まりを意味する「阿」字を入れて開眼し、心願叶ったダルマの右目には物事の成就を意味する「吽」字を入れ感謝の意を込めて寺に納めます。
元々、江戸時代は農具の市でしたが、江戸時代の終わりに養蚕が盛んになって、その繭玉がだるまの形に似ていることから、少しでも繭玉が大きく育ちますようにということで、道具市がだるま市になっていった。
(深大寺ホームページ https://www.jindaiji.or.jp/)
(奥深 https://okujin.com/)

4月~6月

4月の行事
エイプリールフール|花見|入学式|昭和の日 など

5月の行事
メーデー|ゴールデンウィーク|憲法記念日|こどもの日|母の日|葵祭 など

6月の行事
衣替え|貴船祭|厳島神社例祭|山王祭|父の日|梅雨|夏至|ジューンブライド

福岡・博多 どんたく祭り(毎年5月2日・3日)
『博多どんたく港まつり』は、今からおよそ840年前の治承3年(1179年)に始まったとされる伝統的な民俗行事『博多松囃子』が起源。昔、商家の前をどんたく囃子が通りかかった時、そのオハヤシの見事な音色に夕食を支度中の商家のオカミさんが浮かれだし、手にもっていたシャモジを叩いてオハヤシに加わったことから始まるとされています。
(福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり https://www.dontaku.fukunet.or.jp/)

東京 神田祭(2年に1度、5月15日に近い日曜日の前後数日間。西暦の奇数年)
徳川将軍や御台所の上覧があったことなどから、江戸の庶民たちからいつからか「天下祭」と称されるようになった。氏神様の神輿が渡御とぎょすることで各町を清める祭り。
(神田祭特設サイト https://www.kandamyoujin.or.jp/kandamatsuri/)

東京・浅草 三社祭り(5月の第3土曜日を基点とした金・土・日曜日)
三社祭は、浅草神社を中心に行われる大規模な祭りで、鎌倉時代の正和元年(1312)に、神輿を船に載せて隅田川を渡御した船祭を起源とする。
神輿の渡御や熱気あふれる雰囲気が特徴的。江戸風情を残しつつ勇壮且つ華やかな神輿渡御を主として、3日間に亘り約180万人の人出を数える日本を代表する祭礼の一つ。
(浅草神社 https://www.asakusajinja.jp/sanjamatsuri/)

7月~9月

7月の行事
夏休み|祇園祭り|七夕|海の日|土用丑の日|暑中見舞い|お中元|花火大会 など

8月の行事
夏休み|お盆|山の日|夏の甲子園|原爆の日|終戦記念日|花火大会 など

9月の行事
防災の日|お月見|岸和田だんじり祭|秋分の日|敬老の日|シルバーウィーク など

青森 青森ねぶた祭(毎年8月2日から7日まで6日間)
東北地方の代表的な夏祭り。毎年、延べ200万人以上の観光客が訪れる。
青森ねぶた祭は、七夕祭りの灯籠流しの変形であろうといわれていますが、その起源は定かではありません。
奈良時代(710年~794年)に中国から渡来した「七夕祭」と、古来から津軽にあった習俗と精霊送り、人形、虫送り等の行事が一体化して、紙と竹、ローソクが普及されると灯籠となり、それが変化して人形、扇ねぶたになったと考えられています。
(青森ねぶた祭 オフィシャルサイト https://www.nebuta.jp/)

宮城 仙台七夕まつり(毎年8月6日から8日頃。旧暦の七夕に合わせて開催)
伊達政宗公の時代から続く伝統行事で、400年の歴史。
祭りの間、商店街のアーケードに色鮮やかな吹き流しや、くす玉などの竹飾りが飾られます。飾りには「七つ飾り」といわれる小物が付いていて、商売繁盛、無病息災、豊作祈願など様々な願いが込められています。
現在では飾りだけでなく、ステージイベントや飾りの製作体験コーナー、食の魅力がまるごと味わえるフードコートを設置した「おまつり広場」も人気を集め、名実ともに日本一のスケールを誇る七夕まつりとなり、毎年全国から訪れる観光客を楽しませてくれています。
(仙台七夕まつり https://www.sendaitanabata.com/)

京都 五山送り火(毎年8月16日 大文字は20時~20時30分頃)
京都四大行事の一つ。1649年頃から行われる。
送り火とは、盆を締めくくる伝統行事で、迎え火によって現世に迎えた祖霊(お精霊さん)を再び浄土(死後の世界)に送るという意味があります。
大文字送り火は従来から護摩木に自分の名前と病名を書いて火床の割木の上に載せて焚くと、その病が癒るという信仰があり、足利家が最も眺めのよいように―条通を正面にした、京都御所の池泉にうつるようにしたなど、諸説があります。
(京都観光オフィシャルサイト https://ja.kyoto.travel/event/major/okuribi/)
(京都五山送り火連合会HP https://gozan-okuribi.com/2022/ja/top.html)

10月~12月

10月の行事
衣替え|スポーツの日|紅葉|ハロウィン など

11月の行事
文化の日|七五三|酉の市|勤労感謝の日 など

12月の行事
お歳暮|冬休み|クリスマス|冬至|師走|大掃除|年越しそば|除夜の鐘|大晦日 など

伊勢神宮他 新嘗祭にいなめさい(毎年11月23日)
新嘗祭は、宮中祭祀のひとつ。天皇がその年に収穫された新穀などを天神地祇てんじんちぎに供えて感謝の奉告を行い、これらの供え物を神からの賜りものとして自らも食する儀式。
古事記や日本書記にも記され、宮中祭祀の中で最も重要な祭事として古代から行われてきた。
(伊勢神宮 祈年祭・新嘗祭 https://www.isejingu.or.jp/ritual/annual/kinen.html)

埼玉 秩父夜祭(毎年12月2日(宵宮)・3日(大祭))
2016 年にユネスコ無形文化遺産に登録。2023年は約36万人の人出。
秩父の総社、秩父神社の例大祭。京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに「日本三大曳山祭」に数えられる。
祭礼当日は絢爛豪華な2台の笠鉾と4台の屋台が曳行されます。 クライマックスは3日の夜で、最大20tもある笠鉾・屋台が団子坂(だんござか)と呼ばれる急坂を曳き上げられる様子は大迫力。
近年では、花火大会も慣行され多くの観光客が訪れている。
(秩父観光なび https://navi.city.chichibu.lg.jp/p_festival/1030/)

秋田 なまはげ(大晦日の晩)
秋田県の男鹿半島周辺で行われてきた年中行事。ユネスコ無形文化遺産。
大晦日の晩、それぞれの集落の青年たちがナマハゲに扮して、「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡ります。
怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす、年の節目にやってくる来訪神。
(男鹿のなまはげ https://www.namahage-oga.akita.jp/index.html)

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